IPO直前期の、離職防止における成功事例
日本の未公開企業・ベンチャー企業にとってIPO(株式公開)は経営上の大きな目標の一つです。2023年上半期は44社がIPOを果たしましたが、IPOを目指す企業にとって大きなハードルになっているのが、予実の厳格な管理(予算と実績の乖離を減らす)、原価計算制度の整備(製品サービスのコストの正確な把握)と共に、労務管理の徹底です。
これは、極端な長時間労働、ハラスメント行為の横行、高い離職率などはブラック企業の特徴であり、ブラック企業を社会の公器(上場企業)にしてはいけない、という時代の要請が益々強くなってきたことによります。
また、IPOを目指す成長企業にとって、経営戦略を実行する人材を実際に採用し、かつ確保し続けることができるか否かは、経営計画が絵に描いた餅にならないための重要なファクターです。離職率の改善は経営計画の数値を担保し、IPOの可否に直結しており、当社へのご相談も、“現在の高い離職率を至急改善したい”というご要望が増えております。
巷によくある“離職防止プログラム”は、社員のエンゲージメントを高めることに集中しているようですが、IPO直前の成長企業はまだブランドが確立しておらず、特に営業人材の人数と能力と成果が売上に直結しているので、エンゲージメントを高めるだけでは経営計画の数値を達成することができません。
当社のIPO直前期企業向け“離職防止プログラム”は、“離職を防止”すると同時に“早期戦力化”を果たし、経営計画の実現を目指すプログラムです。
下記は、毎年半数以上の新人営業マンが離職していたIPO直前期の企業が、当社のプログラム実施1年後に劇的な離職率の改善と同時に営業成果の大幅向上を果たした事例です。
継続的な人的資源開発と持続可能な経営戦略
また、IPO成功後も企業が持続的に成長するためには離職防止とそれに続く人材の定着について、一過性の問題ではなく継続的な取り組みや組織的な改革がなにより重要であるという視点を持つことが重要です。特に上場後、新たな課題への取り組みや市場競争を見込んでいる場合、より質の高い人材を確保することもさることながら、「企業土壌にあった人材育成の設計図」をIPO前から入念に準備することが必要不可欠です。
これら人的資源開発への取り組みはIPOを成功させるための一時的な戦術なだけでなく、企業全体の持続的な成長と安定に寄与します。特に、上場後の多くの課題や厳しい市場環境に対処するためには、高いレベルの人材管理と開発が求められるわけです。
継続的な人材開発と持続可能な経営戦略は、単にIPOに成功するためではなく、その後の企業成長を見据えた上での投資と考えるべきです。この視点が経営陣に浸透すれば、IPOはただの通過点に過ぎず、更なる成長と社会的影響を目指す強固なステップになり得ます。