株式時価総額からみる、日本と諸外国の差
以下のmapは“finviz.com”という投資情報サイトがリアルタイムで掲載しているもので、米国に上場している株式の時価総額の大きさが一目で把握できるmapである。
従来GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)と称された5銘柄に、電気自動車のテスラと最近の生成AIブームに乗って株価が急上昇した半導体メーカーのNVIDIAを加えた7銘柄を、米国では“Magnificent Seven”(壮大な7銘柄)と呼ぶようになった。日本のアイドルオタク流に言うなら“神7”だろう。
2023年8月18日の“壮大な7銘柄”の合計時価総額は1774兆円。東証プライム1835銘柄の時価総額(約800兆円)のなんと2.22倍である。
日本が誇るトヨタとソニーの時価総額はわずか約38兆円と15兆円で、map上ではテスラとアップルの脇に小さく表示されているだけである。
世界の半導体安全保障に大きく関わる台湾のTSMCはトヨタの1.6倍の約64兆円、最先端半導体の露光装置メーカーのオランダASMLはトヨタ並みの約37兆円となっている。ちなみに、カメラ製造技術を応用した露光装置メーカーとして一世を風靡した日本のニコンは、もはや最先端技術の開発ができず、時価総額わずか5266億円の低空飛行中である。
トヨタ、ソニー、NTT、NECなど国内大手企業8社が出資し、IBMやベルギーのimecと提携して、5兆円かけて北海道に次世代半導体工場を建設する予定の日本の「ラピダス」社が上場する頃には、世界の半導体メーカーの時価総額はどうなっているだろうか。
補足:世界の株式時価総額データ
23年8月18日現在
企業名 | 十億ドル | 兆円 |
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1.アップル | 2720.36 | 395.46 |
2.マイクロソフト | 2,354.35 | 342.25 |
3.アルファベット(ClassC) | 1641.29 | 238.59 |
3.アルファベット(ClassA) | 1,610.91 | 234.18 |
4.アマゾン | 1,382.37 | 200.96 |
5.NVIDIA | 1,070.59 | 155.63 |
6.メタ(ClassA) | 733.58 | 106.64 |
7.テスラ | 695.80 | 101.15 |
企業名 | 十億ドル | 兆円 |
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トヨタ | 264.99 | 38.52 |
ソニー | 104.52 | 15.19 |
三菱UFJ | 95.28 | 13.85 |
ホンダ | 54.89 | 7.98 |
武田 | 47.99 | 6.98 |
企業名 | 十億ドル | 兆円 |
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TSMC(台湾) | 442.03 | 64.26 |
ASML(オランダ) | 259.83 | 37.77 |
壮大な7銘柄の総額 | 1,774.86兆円 |
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東証プライムの総額 | 800.92兆円 |